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空音を記した葉書き
悪戯な風に言付けを
青々しさの亡きアスファルト
ちいさき犬の鼻息
わたしを落ち葉に見立てて
飽くなき食欲の夢
鈴を持った少女
声色ひとつ変えずに愛するひと
淑女は知らないでいる
離別を惜しまぬとでもいうの
帽子と刹那
揺れ動くムーンライト
秋月にたゆたう