ある日 蜘蛛が降ってきた
糸を垂らしてすーっと 僕を見つめているみたいに
ともだちが僕を呼びに玄関へやってきた
きみはひとりなんだね、じゃあねと言う

ある日 僕は夢を見る
空を泳ぐ 魚みたいに
最初は楽しかったのに だんだん怖くなってきて
落ちるところではっと目を覚ます

まただ 僕は空を飛ぶ
ヒーローみたいな勇気のある子じゃない
怖くなってわぁ!と叫ぶ

そして 僕は花になる
地面を明るく照らすんだ
空なんかよりも怖くない
だけど僕はひとりで咲いている
決して怖くないんだよ
ずっと怖くないんだよ